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一人会席?!

2010年6月11日掲載

会席料理は、もともと酒宴のおもてなし料理だったそうです。
懐石料理は、お茶を楽しむための料理として発展。
イメージ同じ「カイセキ」でも、目的が異なるのでしょう。

さて、今回のコラムでご紹介したいのは、一人会席!
ええ~!会席って、大勢でお酒を楽しむ料理では???
そう思う方も多いことでしょう。
しかし、注目したいのは、料理の順番なのです。

最近、定期健診でお目にかかる方々は、体重を落としたいけど
運動する時間がないというお忙しい方ばかり。
そこで、「お食事で気をつけていることは?」と伺うと
「野菜を食べるようにしています。」という答えが多いです。

更に、「食べる順番を気にしていますか?」と質問すると
「何ですか???」「別に…」と返ってきます。

毎日、朝昼晩と食べている食事。
運動ができなくても、この3回の機会を生かすことが
ダイエットや健康的な減量に効果的だと思います。
また、それだけではなく、病気の予防もできるとしたら、
魅力的ではありませんか?

■一人会席食べ

私が以前から、健康診断の面談や保健指導などでお話する時
『一人会席食べ』を勧めてきました。
ちなみに、私が作った造語です。

会席料理の順番を皆さんはご存知でしょうか?
先付・前菜・椀物・お造り(向付)・焼き物・煮物・酢の物
そして最後に、食事(ご飯・味噌汁)、水菓子です。

この順番が大切なのです!
はじめに出てくるのは、食物繊維の豊富な野菜など、
中間にはたんぱく質豊富なお魚類。
野菜の中でもでんぷん質の多いイモ類などは、
煮物として終盤にやってきます。

一番消化吸収の早い、糖質・炭水化物は最後です。
更に、その食事が出る前には、糖質の吸収を抑える働きのある
お酢を使った酢の物が出されます。

いかがでしょうか。
この順番を考えた方は、本当に素晴らしいと思います。
血糖値の上昇が緩やかになり、食後高血糖を防ぎます。
また、順番にゆっくり出てくることから、時間をかけて食事。
ゆっくり味わって少量ずつなので、食べすぎず満腹になります。

『一人会席食べ』は、この順番をいつもの食事に応用する方法。
たとえば、定食で考えてみましょう。
まず、サラダや付け合わせから食べ始めます。
次に、メインのお魚やお肉類を食べ、
途中で煮物類などジャガイモやニンジンを含む副菜を
最後にご飯とお味噌汁を頂いて、ごちそうさまでした。

ご飯とおかずを一緒に食べると、どうしてもご飯がすすみます。
つまり、ご飯の量が多くても食べられてしまうのです。
ランチ時の定食屋さんでは、ご飯のおかわり自由なお店もあり
なかなかご飯の量を調整するのは、難しいですよね。
しかし、『一人会席食べ』は、お腹が一杯になるので
ご飯が少量で済みます。

あまり我慢をしなくても、ご飯を減らすことが可能になります。
また、会席食べですから、ガツガツ早食いはNGです。
ゆっくり良く噛んで、味わって召し上がれ。

食べ過ぎの防止は、糖尿病の予防だけではなく、
中性脂肪の増加を抑えることにもつながります。
メタボ健診が一般的になってきた今、脱メタボ・メタボ予防に
ぜひ『一人会席食べ』は、いかがでしょうか。
健康的なお食事が、健康的な体を作りだすカギです。
今日からぜひ、お試しください。