文字サイズ
  • 大
  • 中
  • 小

待つということ

2013年12月21日掲載

あっという間に年末になりました。
今年1年を振り返って、いかがでしたでしょうか?
きっと素敵な出来事がたくさんあって、振り返ると
楽しかった、幸せだったことが思い出されますね。
そうでなかった方も、あと残りの日々を輝かせればOK!

今日は、前回の「時に叶う」に続いて「待つ」ことを
書いていきたいと思います。

時を逃さないことも重要ですが、それと同じくらいに
待つということも大切です。
ただ単に、行列に並んで順番を待つとかそういう待つも
大事ではありますが…
今回は、時を待つということです。

カウンセリングでは、心の準備が必要です。
話をする準備ができていなければ、心が治りたいとか
変わりたいと思っていなければ、その時が来るまで
ゆっくりと待っていくことが大切だと考えます。

子育てや人材育成にも、共通なところがあるかと思います。

では、どうして待つことが必要なのでしょうか?
私は以前、保健師として働いていたことで、積極的に
介入したりかかわっていくことが癖になっていました。
カウンセリングでは、クライエントのペースや状況を
きちんと分析して合わせていくことが大切です。

臨床心理士になるために1番学んだことは「待つこと」
だったと実感しております。
たとえば、クライエントが一言も話さずにいたら…
話しかけたくなりますよね。
それでも、待つことが大切だと判断した場合には、
ただひたすらその方が準備できるまで待つのです。

沈黙が続いても、相手の沈黙の意味を考えながら待ちます。

もちろん、これは極端な例です。
では、無理に進めるとどうでしょう?

鳥のひなが生まれる時、母鳥は外からつついて助けます。
そのタイミングを母鳥は待っているのです。
ひなが自力で殻を破ってくると、卵にヒビが入ります。
出る準備ができたという証しです。
そのタイミングに、つついてくれると上手に生まれてくる
ことができるというわけです。

クライエントとカウンセラーも似ています。
クライエントが、準備できたよと教えて下さった時に
では一緒に頑張りましょうとお力添えするのです。
そのサインを見逃さないこと、サインが出るまで待つこと。
これが大切です。

もし、ひながまだ準備できずにいる時、母鳥が卵をつついて
しまったらどうなると思いますか?
残念ながら、ひなはこの世界では生きていけないでしょう。

子育てや人材育成でも、待つことは大切です。
その人を信じて待つことができるかが重要です。

能力や可能性は、信じているからこそ待てるのです。
すぐに手出しをしてやってあげた方が、効率もいいし
早いですからね。
それでも、待つことは相手を成長させること。

カウンセリングも、基本的に相手を信じて、相手の可能性を
信じているからこそ待てるのだと思います。

待つことが苦手な人は、少し先の未来を想像して下さい。
待つことでその人がどんな姿になりますか?
どんな可能性が開花されますか?
どんな表情を浮かべて生活されていますか?

ワクワクしながら、想像して行くことで楽しみになります。
お子さんがいらっしゃる方は、ぜひお試しください。
ご家族やパートナーでも同じです。

皆様が素敵な時間を過ごされますように。